「好きなことだけをして生きよう」教なるものが世の中には存在します。書店にいけば、それをテーマにした本はすぐに見つかります。
人生一度きりしかありません。
自分の感情をおしこめず、好きなことをすることは良いことだと思います。
がんばり屋さんに向けて「もっと気楽に生きようと」と優しく包んであげるなら良書ですが…
努力なんて面倒くさい、
もっと楽できないかな、
と考えてる人が手にしたら「悪魔の書」と化します。
読み手の読解力が必要になります。その理由は後半で^^
好きなことだけして生きよう教の経典に「1フレーズ」だけでいいので、追加していただきたいことがあり記事を書くことにしました。
「筋は通さんといかんよ」
この1フレーズです。ココにふれている本が全く見当たりません。
自分だけで背負わない。他力に頼ろう
一見カッコいいフレーズかもしれません。集団スポーツで互いを支え合うことは美しいです。
全員が一つの目標に向かって全力を尽くすという前提でこそ生きる言葉です。
いつまでも仕事を覚えられない、覚える気もない正社員
しかし、この手の本を読む多くの人はスポーツ選手ではなくサラリーマン。
自分に与えられた仕事を責任もって出来ない大人がいるとしたら、アナタはどう思いますか?
これは冗談ではなく、実際にいるんです。残念なことに。
仕事をすぐ他の人に回してしまう大人が。本当はその人がやらないとダメな仕事を自分より下の人に回す。
だいたい非正規雇用の人々へ。
なので大手企業でも、社員よりも非正規雇用のパートタイマーなどのほうが実務に精通しているという状態、これは珍しいことではありません。
・有無をいわさず仕事をふる人
・少し考えたけど「教えて」と聞きにいく人(覚える気がない)
今は組合の力もあって社員を簡単に解雇できないので、歴史ある大きな会社ほどこの傾向が強い。
無料のボランティアで働いているならまだしも非正規社員の何倍もの給料をもらっているなら。。。
“ラクをしたいなら”会社はをやめてからにしましょう。そこは筋を通さないといけません。
アナタが好きなことをすると、周りが幸せになる
自分のやりたいことを我慢して、ストレスを抱えて家族に当たり散らしている。ソレを止めさせる場合のみに有効な言葉です。
月曜日に仕事に行くのがツライ
これは多くのサラリーマンが思っていることかもしれません。そして「月曜日に休むヤツ」が必ず一人は会社にいるではないでしょうか?
休んでビアガーデンに行こう!
好きなことしていいんだよな。
オレがいなくても会社はまわるじゃないか~きっとAさんがカバーしてくれる♪
Aさんが好きなことをしている時にアナタは幸せですか?人がいないことで、カバーに回らされてませんか?
月曜日にやすむ人というのは一部かもしれませんが「仕事がテキトー」です。クレーム処理させられていませんか?
これまた、大手企業でもアルアルねたのひとつです。
もし休んだ人の本棚に「悪魔の書」がおいてあったら。。。と思うと「好きなことだけして生きていこう」という本の恐ろしさ、破壊力はハンパないといえるでしょう。
会社はをズル休みするのはルール違反です。月曜日にビアガーデンに行きたいなら有給とるか、会社をやめるか、いずれにせよ筋は通しましょう。
拡大解釈しすぎじゃないの?
こうアナタは思われるかもしれません。
逆に「うんうん」 そういうヤツいるよと共感される人もいるでしょう。
本の言いたいことを寸分違わず理解できてるなら100%上記のようなことはおきません。
しかし残念ながら、この手の本はなぜかもやっとした感じで、どうにでも解釈できる本が多いのです。
セミナーやカウンセリングに誘導するために、もやっと書いてるのか?それとも、読解力がない人をターゲットにしてるのか?
いずれにせよ好きなことだけして生きたいなら、まず筋を通す。レールから一度外れないといけません。じゃないと同じレールに乗っている人の迷惑になります。
いやいや迷惑なんて、アナタが勝手に思っていることで本当は「迷惑なんて感じてないかもよ」なんてフレーズもよく見かけます。
間違いなく「迷惑」を感じている人はいますよ。
この手の本は「かもよ」とは言いますけど、「相手に聞いてごらん」とは言いません。それはそのはずで、聞いたら「迷惑です」と言われるのがオチですから。
好きなことだけして生きていく
この生き方は、サラリーマンの縦社会に対抗するもう一つの柱となりました。本から学ぶとしたら、読解力がない人が読めば悪魔の書となる可能性が高いものです。
「好きなことだけして生きていこう教」の伝道師、教祖さまのなかにサラリーマンはいないことも見逃せません。組織を束ねる人間がそんなこと言ったら崩壊しますからね。
自分に都合よく読むのではなく「作者の本当に言いたいことが何であるのか?」を意識して読むことで、人生の可能性を広げる良書になる可能性もあります。
政治の世界も同じ
今回はサラリーマン社会の事例を話しましたが、政治の世界も同じ。
都知事選は与野党分裂選挙となりましたね。自民党のルールを破り立候補した小池さん。
自民党の石原さんは、立候補そのものに対してではありませんが「わがまま」と発言されました。
この人自身が、かつてわがままで自民党総裁選に立候補したために谷垣さんが出られなかった過去もあるのですが。。。
これにより、一気に石原氏の求心力は低下。当時この動きに関して、麻生太郎元総理(現副総理、財務大臣)は
私の渡世の考え方から言ったら 考えられんな
と「義理と人情」の親分を怒らせてしまった過去があります。
麻生元総理 「石原を支援する人の神経がよく分からない」 by ゆっくり忍者 政治/動画 – ニコニコ動画
小池さんの立候補がわがままかどうかは都民が選挙で決めてくれます。離党して筋を通していれば都民ではありませんが、心の中で応援したいところです。
逆に好き勝手なことをしている小池さんと除名することもできるのにしない自民党。
お互い、利用しあっているので仕方ありませんが。。。
好きなことをして生きるには「勇気」が必要!
政治家でもサラリーマンでも、筋を通す生き方は難しいのかもしれません。
好きなことだけして生きていくというのは言葉ほど簡単なことではありません。
でも勇気をもって、筋を通すそこに人は惹かれるのではないかと信じています。
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