社会人の英語学習にオススメの学習法と参考書をご紹介します。学生時代に得意だった人もいますからスタート地点はバラバラ。英語を勉強する目的(ゴール)も人それぞれです。
大人のやりなおし英語は、スタートもゴールも違うわけですが、壁にぶちあたる原因はハッキリしています。
「壁」とは….
・TOEICなどの資格試験で、スコアが伸び悩む。
・瞬間的に英語のフレーズが出てこない。
・英語が全然聞き取れない。
原因は「英文法」と「英単語」の基礎力が不足してるからです。今回のテーマは文法なので、単語に関してはまたの機会にしたいと思います。
英文法の勉強法。社会人の考え方
自分にあった英文法の勉強法は「目的×手段×場所」で考えると分かりやすいです。
- 目的:TOEICで目標スコアをとりたい/英語が話せるようになりたい(日常orビジネス)
- 手段:参考書/問題集/アプリ/動画授業/
- 場所:自宅/教室/カフェ/通勤中の電車やバス
各項目から自分にあったものを選べば、勉強法の骨組みは完成します。(複数選択もok)
英文法を勉強する目的
目的に関係なく必要なのが、中学英文法の基礎知識です。
高校英文法に関しては、目的に応じて勉強します。
英語が話せるようになりたいなら、高校英文法よりも、実践を優先すべきです。
つまり外国人と話す機会を作るということです。
「高校英文法は意味がない」とは言ってません。
ビジネス英語は、話す内容が立派でも、文法がめちゃくちゃだと、教養がない人とレッテルをはられる場合もありますから。
とはいえ、英語が苦手な日本人が多いのは、島国ゆえの実戦経験の少なさが一番の理由です。
中学英文法をマスターしたら、海外旅行を予定にいれるなど、英語を話さないといけない環境を強制的に作るのがオススメです。
社会人が英文法を学ぶ手段
中学校や高校では「参考書⇒問題集」という勉強法が一般的です。
この方法で成果が上がった人は、社会人になった今でも有効になる可能性が高いです。
まずは試してみましょう。
ただ、「参考書⇒問題集」という勉強法があわなかった人も多いと思います。
特に学生時代に英語の成績が良くなかった人は。
学生時代にピッタリだった人も油断はできません。勉強から離れてる人や、残業で忙しい人は、学生時代と同じように勉強できるとも限りません。
参考書を読むだけでなく、アプリを使ったり、予備校講師の分かりやすい授業を動画で、しかも低価格で受けられます。
具体的な教材は、のちほどご紹介しますが、学ぶ手段は一つだけでないと覚えておいてもらえればokです。
社会人が勉強する場所
何時間も椅子にすわって参考書や問題集と格闘する
これが理想の勉強法だと学生時代に教わってきました。
しかし、今や、それだけが勉強の仕方でないことが、多くの研究で判明してます。
そもそも同じ姿勢で勉強し続けると、血流が悪くなるので脳にエネルギーがいかなくなります。
座る、立つ、座るを20~25分おきに繰返したほうが、成果はあがりやすいというデータもあります。
さらにいえば、自宅だけを勉強部屋にすると、社会人には時間的に厳しいです。
バスや電車などの通勤時間、昼休みや交通機関の待ち時間など、細切れ時間を有効活用して成果をあげられることも分かってます。
自分は学生のころから自宅で勉強するのが苦手、集中力が続かないと悩んでる人がいたら安心してください。
家で椅子に何時間も座るだけが勉強法ではないので。
英文法の見取り図で全体像を理解
やみくもに1ページ目から問題を解きまくる勉強は効率が悪いです。
たしかに、英文法の暗記は必要。
しかし各単元「比較」「不定詞」、、、を点として暗記するより、本質を捉えて点を線でつなぐほうが効率良く勉強できます。
例:現在進行形の疑問文、否定文
一般的に、「be動詞を主語の前に持ってくると疑問文、be動詞の後ろにnotをおけば否定文」と説明されています。
しかし、これは新しいルールでしょうか?
どの参考書、問題集でも、一番はじめに「動詞」について学習します。
疑問文と否定文は、be動詞と一般動詞、それぞれ特有の動きしかしません。
つまり、2パターン(be動詞と一般動詞)の疑問文と否定文の作り方をマスターしておけば、後から学ぶ各単元の疑問文と否定文を、それぞれ特有のルールとして覚えなくて良いわけです。
これだけでも、かなりの暗記量が減ります。
社会人は、学生と同じカリキュラムで勉強する必要はありません。
英文法の見取り図を使って効率よく勉強を進めましょう。
英文法の全体像を理解するための見取り図は、以下のリンク先ページにまとめました。興味のある人はチェックしてみてください。
>>英文法の見取り図
英文法の参考書や問題集。社会人向けの教材はコレ
大人のやり直し英文法STEP1:中学英語
多くの人が、中学レベルはやさしすぎると勘違いしてます。
なので高校レベルの参考書で勉強を始めたり、いきなりTOEICの問題集を買う人が多いです。
大人のやりなおし英語の場合、学習プランを立てるのは自分です。
己の力量を見誤ると、効率的に勉強する計画(参考書の選定など)を立てのに費用対効果の薄い勉強になることも。
英語が分からなくなったのは「高校生ぐらいから」と答える人が多いです。(だから高校レベルから始めてしまう)
しかし実際は、中学英語をしっかり身につけてないのが原因だったりします。
STEP1を短期間でクリアする
ステップ1の学習期間は短めに設定したほうが良いです。理由は…
・丁寧にやりすぎると先に進まない。
・モチベーションが低下する。
ゴールを決めて、小さなステップを定めクリアしていく勉強法がオススメです。
目安は長くて10~14日程度が、間延びせずにできる限界ではないかと考えます。
STEP1の勉強方法
中学、高校で英語の成績が4~5だった人
思い出すくらいで済みそうな人は、2冊のうちどちらか1冊を通読すればokです。
・中学 英語を もう一度ひとつひとつわかりやすく。
・中学、高校で英語の成績が1~3だったor参考書だと挫折しそうな人
書籍ではありませんが、社会人のやり直し英文法におすすめなのがスタディサプリです。
英語担当の関先生の英文法の授業は必見です。「学生のころに、こんな授業が受けられたら良かった」と思う大人が続出してます。
できるだけ暗記する量を減らして、コア(核)になる部分をおさえていく説明をしてくれます。なので効率良く中学英文法を復習できます。
サプリを使った具体的な勉強方法は「中学英語をやりなおしたい社会人の勉強法@基礎から文法を学びたい人へ」という記事にまとめました。
個別指導コースとベーシックコースがあります。
月額1980円なのは、ベーシックコースなので選択ミスしないように注意してください。
支払い方法の選択を求められます。体験で終了すれば請求されません。
(退会方法は申込み後に届くメールに記載されてます)
大人のやり直し英文法STEP2:目的別
STEP1で中学英文法を復習しました。
このままSTEP2では高校英文法かといえば、違います。
ここで目的別の学習にはいります。
なぜなら、高校英文法が必要な人と、それほどいらない人にわかれるからです。
・日常英会話
中学英文法の土台があれば、日常英会話の学習はスタートできます。
なので、海外旅行、接客、など目的に応じた英語学習をはじめてください。
・ビジネス英会話
STEP2の勉強方法
・日常英会話を勉強するなら、、、
英会話では「スピーキング(話す)」よりも「リスニング(聞く)」が大事です。
自分の話ばかりすると、自己主張が激しい人だと思われます。他人の話を聞かない人は、日常英会話もビジネス英会話もうまくいきません。
聞く姿勢は持っていても、リスニングが苦手で英語が聞き取れない人が多いです。
相手の話しが分からないと、適切な回答ができません。ビジネスなら、「コミュニケーション能力の欠如」と烙印を押され相手にされなくなります。
リスニング能力を鍛えるなら、スタディサプリENGLISHがおすすめです。
大人のやり直し英文法STEP3:高校英文法
『1億人の英文法』を使って「形」と「イメージ」を頭につくる。
例文を自分用にカスタマイズする。
言葉は人間の口から生み出されます。 英語が母国語でない日本人にとって、異国の言葉を直感的に理解するのは難しいです。
そのために先人は、英語を日本人が理解しやすいように英文法を作りました。 歩んできた歴史、文化も違う外国の言葉を理解するためのルール。
その基礎を確認したのがSTEP1でした。
ステップ3では、英語も日本語も話すのは同じ「人間」であることに注目して学習します。
同じ人間なのですから、感じるハートも同じ。当然コトバにも同じ魂が宿っていますので、外国語とはいえ日本人でも分かる部分があるハズです。
オススメ本1冊「一億人の英文法」東進ブックス 高校生が使う英文法書といえば「フォレスト」、マニアックなところでは「ロイヤル英文法」あたりが有名。
私がオススメするのは「一億人の英文法 ――すべての日本人に贈る「話すため」の英文法(東進ブックス)」です。
私がオススメするのは、調べ用ではなく読み物として使うことです。ステップ1で勉強した英文法の基本的なルールを、直感的に理解するのに最適です。
索引がない以外にも、普通の文法書とは違う点が多々あります。まず、文法紹介の構成から。 例えば未来の助動詞「will」。ふつうは「be going to」も同じ単元内で紹介されます。
しかし「一億人英文法」では、最後のほうにある「時表現」で紹介されます。 これは「will」と「be going to」を同一視するのを防ぐための配慮だと思います。willは精神的力を働かせて発する言葉。be going toはプロセスが進行する中で発せられる言葉なので使う場面が必ずしもイコールとは限らないですから。
ステップ1の中学英文法では「will」は「未来形」、そして「will=be going to」と勉強します。この段階では、全く問題ありません。 ステップ3では「1億人英文法」で知識の幅を広げます wiiは未来専門ではないこと、will=be going toではないことなどです。
幅を広げると書きましたが、ただ丸暗記して知識を増やすのではありません。
「コア」になる部分を学び、そこから円を広げていく感じの学習をします。コアになる部分が、前述した「ハート」に当たる部分となります。
このような学習を自宅で自分でできるのが「1億人英文法」のすごいところです。 1億人英文法の使い方 1日1チャプター。
18日でクリア本書は全部で6つのパート(18のチャプター)で構成されています。毎日1チャプターずつ読めば18日で読了です!
どの単元でも、ステップ1で学んだ英文法からスタートできますので、意味が分からなくて挫折することはありません。 著者は「ハートで感じる英文法」という語学番組はNHKで担当されていたぐらいですから、説明も直感的で分かりやすいです。 そしてパッと見でイメージがわく絵も解説と一緒についてます。
「英文法の過去形」というのはネイティブが使う時には「距離感」をハートで感じて話していることが理解できます。
ここが理解できれば、仮定法で過去形を使うことも直感的に理解できます。 また助動詞の過去形、例えばcouldを「〜できた」ではなく遠回しの表現で使われる理由が分かります。コアになる部分を軸に説明が進みますので、非常に理解しやすいです。
膨大な知識の丸暗記という受験勉強のような苦学はそこにはありません。 パート6で日本語と英語の時制の感覚をつける 特に読んでいただきたいのはパート6(チャプター16)の「時表現」です。
英文法の中で「時制」の理解はとても重要です。なぜなら日本語と英語ではズレがあるからです。
例えば「現在形」とか「過去形」なんて言葉を英文法では使いますが、日本語=英語にならないことが多い。誰かとコンビニやスーパーに買い物に行ったとしましょう。
・相手「ビール飲むかい?」
・アナタ「うん 飲む」 飲む=日本語では現在形。
飲む=英語では未来形(会話文では「これから飲む」という意味合いで話してます)
もう一つ例を出しましょう。
中学3年生で習う現在完了形。「have+過去分詞」がルール。現在完了形の3用法「継続」「経験」「完了」とありますが、一番分かりにくいのが「完了」です。
「ちょうど終わったところだ」という感じで使います。習いたてのころは、「終わった=過去形」じゃないの?なんて疑問に思った人も多いハズ。
最終的には意味もわからないまま、「just=ちょうど」があったら現在完了と丸暗記したのでは? ステップ1では全然問題ないのですが、ステップ3に行くにはハッキリさせておくべきです。
このような学習が「1億人英文法」は独学できます。700ページ近くある本ですが、一読の価値はあります。 1億人の英文法は、ステップ2で使用しますが、この先も使える基本書となります。
1日1チャプターで18日間で1セット。これを2セット、3セットと繰り返してください。
ステップ3に入りながら2セット目、3セット目と並行しても良いですし、先にやってしまうのでも良いです。
その線引きは自分の英語学習に対するモチベーションが続くかどうか、もしくは勉強にかけられる残り時間で判断してください。
完璧主義にならないこと
1回読んだぐらいで完全に内容をものにできることはありません。完璧にしないと気が済まない人ほど、挫折しやすいので注意してください。
1億人英文法で、こういう理解の仕方もあるんだなと感じてもらえれば十分です。あとはステップ3と並行して必要に応じて、読み直せばokです。
1億人英文法の読み方 英語の勉強という意識を捨てて読書を楽しむ読書を楽しむように、コーヒーを友にリラックスして読んでください。
ただ読むだけでも良いですが、小説ではありませんのでストーリーもなくワクワクはありません。知的興奮というワクワク感は十分にありますが。。。
ペンやマーカーを持ちながら読み進めるなのでボールペンやマーカーを片手に読むスタイルがおすすめです。気になった部分があったら線を引くのです。
こうすることで、自分が今英語の勉強をしていることを視覚的に把握することができます。 なんでも線を引いてしまい、最終的にはマーカーだらけになるから、必要ない!
という考え方もあります。 そこは個人の判断で良いと思います。私はペンと紙が接することで、脳に刺激がいくような気がするので手には何かを持つようにしてます。
個人の好みがあると思いますが、私はテキストを汚すのが好きです。必要性があってメモやマーキングするわけですが、そのほかに汚すことで愛着がわくからです。
1億人の英文法の使い方
英文法の形とイメージを読んで、例文で確認します。
そのあと、例文を自分が話すため用にカスタマイズします。
ここがとても重要です。
自分が話す前提で勉強すると、記憶しやすくなります。
例えば212ページに
It takes less than 7 hours to get to Singapore.
(シンガポールへは7時間以内で行けるよ)
という例文があります。
この例文を使うシーンが想像できれば良いのですが、「シンガポール」について話す
機会がそうない人も多いと思います。
話す可能性がありそうな地名と、それに対応した時間で例文をカスタマイズしてみましょう。
例えば、札幌市に住んでるなら
It takes less than 2 hours to get to Tokyo.
と変更します。
「less than」を省いてもよいですが、正確な時間はいえないと思いますので、残しておいたほうが凡庸性が高く便利です。
英文法の勉強を受け身の姿勢ではなく、自分ごととして取り組むと、モチベーションを維持できるし、何より楽しいです。
今回は「Singapore」を「Tokyo」に、「7」を「2」に部分的に変更しました。
例文はできるだけ部分的にカスタマイズしましょう。
ただ、それも無理な場合は、英文法のポイントを守りながら、全文を変更するのもokです。
カスタマイズした例文は、暗記しようとしなくて良いので、何度か音読してみましょう。
英文法の問題はとかなくていいの?
大人のやりなおし英文法では、問題演習はとくに必要ありません。
問題文をそのまま使用する機会は、ほぼありません。
ステップ3の「1億人の英文法の使い方」で話したように、【形とイメージ】そして、自分が話す前提で英文をカスタマイズしたほうが、身につきます。